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2006年10月30日 (月)

■ 千住真理子ヴァイオリン・リサイタル in よこすか芸術劇場 10/28

Yokosuka 先週に引き続き、千住真理子さんのリサイタルへ。

よこすか芸術劇場に行くのは2回目だが、最寄り駅が「汐入」という京急の普通しか止まらない駅…、遠かった。

Pan 開場15分前についたので、少しお腹に入れたいと駅付近を物色していると、焼きたてパンの看板(「ぱんプキン」というお店)に引かれて近くに行くと「横須賀名物 海軍カレーパン」とある。1105円とリーズナブル。1個購入し、駅前のベンチに座って通りすがりの人たちを見ながらパクつく。カレーの具の中に「福神漬け」が入っている、美味しかった。開場したのでホールロビーでHさんにいただいた飲料サービス券を使ってビールを飲んだ(ありがとうございました!)。

Mariko26_1 ●プログラム  伴奏/藤井一興

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調

シューベルト:アヴェ・マリア

S.フェイン/平井邦俊編曲:慕情

C.チャップリン/平井邦俊編曲:「ライム・ライト」より“エターナリー”

F.レイ/平井邦俊編曲:ある愛の詩コンチェルタンテ風

(休憩)

Fugii3_1 ドヴュッシー:亜麻色の髪の乙女

ドルドラ:思い出(スーヴェニール)

フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 op.13

※※ アンコール ※※

「愛のあいさつ」「雪の女王」「G線上のアリア」

Mariko93 デュランティーは、初めから気持ち良く歌っていた。

千住さんのドレスは初めて観たもの。白・紫・黒を基調にした素敵なドレスだった。

前半の中の映画音楽は、この公演の主催者が作曲家(芸大卒)で、その平井氏編曲によるもので、千住さんも最近その編曲を知り、弾いてみたらとってもいいので、ぜひ、とプログラムに入れさせていただいたという。

中でも、「ある愛の詩コンチェルタンテ風」には、カデンツァも取り入れられていて聴き応えのあるものだった。

(平井氏をステージ上にあげて紹介。彼は後半、楽譜めくりもされたり個人事務所的なアットホームな感じだった。でも会場は2千人を越える大ホール、そのギャップもまたよしかな…)

Mariko67 後半の「ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調」4楽章全曲が、やはり今日のメインであろう。素晴らしかった。

サイン会もあり、いつものように並んだ。前の方がしゃべり始めてしまい、スタッフも真理子さんもちょっと困惑気味…。自分が如何にファンであるかを演説している、やれやれである(会場スタッフの“早く終えて”という視線プレッシャーにも全然動じない図々しさ…、いいお年なのになあ、周りの状況を読めない大人が最近目につくのは気のせい?)。

Wine1_1 順番がきて「ワイン」をお渡しすると、「今日のは、何かなぁ~?」と袋を覗き込む、千住さん。

ストラディヴァリオ、誰も寝てはならぬ(この名のワインがあるんですよ!)、アキラなど特徴のあるワインで、楽しみにしていただけていることが分かって嬉しかった。

でも、今年は隠しネタワインは、あと1本しかないんだよなあ…。またワイン探しの旅に出ようかな…。

鑑賞日 2006.10.28(土) よこすか芸術劇場(大ホール)

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2006年10月29日 (日)

先週、鑑賞した映画

先週は、映画も3本観ている。

『父親たちの星条旗』、『ナチョ・リブレ』、『地下鉄に乗って』。

Eiga1 『父親たちの星条旗』10/28公開)は、クリント・イーストウッドの『硫黄島からの手紙』(12/9公開)と2部作の1作目。

『父親たちの星条旗』はアメリカからの視点、『硫黄島からの手紙』は日本のからの視点で作製された。

私的に忙しくて、鑑賞前にほとんど何も調べないで『父親たちの星条旗』を観た。だから、題名の意味も全く知らなかった。

これは、硫黄島の戦闘で、米海軍が擂鉢山頂に6人で掲げた「星条旗」1枚の写真が、日米の戦争の行く末を変えるきっかけにもなった事実を基盤に、硫黄島と本国アメリカを舞台にしたもの。

そして、その6人の内の1人「ジョン・ブラッドリー」の息子のジェームズ・ブラットリーが2000年に出版したものが原作。よって「父親の~」となったのだ。

「勝手な映画評」は、その原作のヤングアダルト版の翻訳本が、今月、日本でも出版されたので、それを読んでからと、2部の『硫黄島からの手紙』を観てから書きたいと思う。

この1部だけでも、クリント・イーストウッド監督の真摯な戦争観が描かれていた。戦争反対のスタンスが見られるし「英雄はいない」ということも。そして、『ミリオンダラー・ベイビー』でもみせた彼らしい「人間観」を冷徹な視線で描いている。

そして、彼は今、「イラク戦争」反対のスタンスも表明している。

評を書かないつもりが少々書いてしまった(笑)。『硫黄島からの手紙』のジャパン・プレミア試写(11/15 武道館)には、クリント・イーストウッドも来日予定だ。

映画はシリアスな内容だったけれど、久し振りに会った知人と鑑賞後にイタリア料理のお店で閉店まで楽しく飲食できた。

Eiga22 『ナチョ・リブレ』(11/3公開)は、プロレスの「タイガー・マスク」の原案とも言われるメキシコの伝説的ルチャドール、フライ・トルメンタの実話を基に作られた作品。B級映画的だが、なかなか面白く、笑って泣けるジャック・ブラックらしい作品だった。

ただ、この作品のジャック・ブラックの下品さには、ちとついていけないなあ。もう少しスマート(体型ではないよ)に作ればいいのに。

ジャック・ブラックの作品で『スクール・オブ・ロック』は、とても秀作であるので、お薦めである。

Eiga3 『地下鉄に乗って』(公開中)は、昭和時代にタイムスリップして、自分の父親の若き頃に遭遇するというファンタージーチックなラブストーリー。

昭和が舞台なので、『ALWAYS 三丁目の夕日』のようなイメージで行ったら、駄作だった…。『ALWAYS 三丁目の夕日』がとても素晴らしい作品だったので、ガックリ。

まあ、監督も作者も違うし、ただ「昭和」の舞台というだけで期待した私がバカだったのだけれどね。

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2006年10月25日 (水)

■ 10/21は、千住DAY!

■ 千住DAY パート1 『千住博の芸術論“アート”の本質』(朝日カルチャー公開講座)

Blu2 新宿住友三角ビルの47階の教室で行われた千住博さんの公開講座(有料)に行って来た。(受講人数は80名くらい)

講座は、14:3016:30予定。実は、当夜は横浜で千住真理子さんの無伴奏公演(開演18:00)が控えていた。新宿→青葉台、急げば何とか間に合うと判断し、申込んだ講座である。

昼/兄(千住博)-夜/妹(千住真理子)。そう、それで10/21は私にとって「千住DAY」!! 

いつもは早めに行って、前の席を取るのだが(そういえば、大学時代の授業は全く逆の一番後列に座るのが常だったなあ。でも、もし講師が真理子さんだったら最前列に座っただろうな、笑)、終了後すぐ横浜に向わなければならないので、出口のそばの席に座った。

それがある意味、幸運(?)となった。私の左机に座られた男性が、博さんの新書『ルノワールは無邪気に微笑む』の担当編集者だったのだ。

Hirosi23 開講前に「質問/アンケート用紙」が配布され、開講前に回収が始まる。すなわち講座を聴いてからの質問ではない。名前記入式なので、この際博さんに自分をPRしちゃおうかな?といういたずら心(?)で、採用される質問を考えてみた(質問採用=釣りで魚を釣り上げる、そう魚になろうと思ったのだ、笑)

質問内容は、「'0612/2~の山種美術館で開展される博さんの展示の内容や構成などを教えてください」というもの。

質問採用は、隣の編集者が書き込みをしながら選択作業をされていた。

彼が私の用紙を用紙束から抜き出し、書き込みを始めた。

質問コーナーは、講義終了後の15分位が当てられ、私の質問は2番目に読み上げられ、展示予定の発端から経過説明をされ、「山種美術館」で展示されるのは「フィラデルフィア「松風荘」襖絵20面(新作)」と「フォーリングカラー(新作)」で、「フィラデルフィアの襖絵」はアメリカで永久保存となり、日本での展示はこの1回限りなので是非観ていただきたい、と言われていた。

Hirosi30 開口一番は、「今日、何故足を引き摺っているかは、実は秘境“九賽溝910 (きゅうさいこう)”に一昨日まで行っていて、滝があるのですがその崖っぷちをよじ登って滑落してしまい、足を打撲してしまったからです。しかし、“九賽溝”に行って、とても良かったです。私はここで今までの価値観がガラリと変わる体験をいたしました。今までも秘境と言われる場所に数々行きましたが、ここはレベルがぜんぜん違って本当にすごい体験でした。」

(「漢方薬ってスゴイですよ! もうこれでもかってくらい塗って、塗って、そして飲んで、飲んで…、そのお陰で歩けるようになって今日ここに来られたわけです(笑)」ということも言われていた)    

98 「“九賽溝”は、パンダ発見でも有名になったところですが、誰も観たこと95 がなかった「湖」が100以上あって、そのうちまだ80に名前も付いていないというところです。」

911 「その湖が信じられないくらい透通った湖水で、まるで鏡を張っているようなんです。そこに映し出される風景の美しいこと。地元の人が『鳥は水の中を飛び、魚は空を泳ぐ』と表現するのがよく分かります。とにかく信じ難いくらいの美しさなのです」

92 「ここは揚子江の源流とも言えるところで、聳え立つ山々はチベットという秘境で、夜の“満天の星”ったら、これもスゴクって、銀河系が…、コスモス、そう、時空、ここは宇宙なんだ!と。」

“九賽溝”での体験を熱っぽく語り、更に力を込めて、

「ここでの圧倒的な「美」の芸術的体験は、私の「美への認識」「芸術への認識」をコペルニクス的転換と言ってもいいくらいの衝撃を持って変化させました」

96 そして、“九賽溝”での紅葉の美しさの話も加えてから、

「小林秀雄は『“美”とは何かで、“美”とは、美を感じる“心”である。人の心の感度の問題である』と言われました。私もそう思っていました。しかし、それは違いました。それを私は“九賽溝”の圧倒的な美の世界の体験で知ったのです。それは、誰にも観られなくてもここではその美しさの繰り返しが永遠に続いているのです、「人の心」なんてない場所で。これをどう捉えるか、「美は心の問題ではない」ということを知ったのです。もちろん、小林氏の美の認識を全否定するつもりはありません。ただ、美というものはそれをも超えた存在なのだということに気づいたわけです。」

「この経験で、私の今後の創作活動は変わると思います。是非、期待して観ていてください」

(もっと、もっと熱っぽく語っていたのですが、ここではコンパクトに要約させてもらいました)

Hirosi11_3 この後も、私の第2ブログで記載した「第17話」と同様、アルタミラの洞窟から博氏の芸術論がどんどん展開されていくわけですが、長くなるので、ここでは割愛する。

たくさん、たくさんの興味深い宝石のような話の数々が。例えば、「化粧」の話。コスミティックの語源は「コスモス」、そう化粧は宇宙なんです。おしろいは天然の岩から作られます。それは人と宇宙との交信という神秘的な行為なんです。そして、「日本画」も天然石から作られた顔料で描かれます。それは……。

ねっ、これだけでも面白いでしょ?

97 そうそう、もう一つ書くべき博さんの九賽溝での体験談があった。

「このチベット族などの少数民族が住む極限世界/自然界に美は絶対的な形で存在していました。しかし、住んでいる彼等にはこの美は日常のことなのです。

私が大いに感銘を受けながらスケッチブックにスケッチしていると、地元の少数民族の子供が近寄って来て、指を指して欲しがるのです。私は、スケッチブックはあげられない。と、そのままその子を帰してしまったのです。

Kaku6 あとで、その状況を見ていた通訳が私にこう言ったのです。『あの子は、スケッチではなくて、エンピツが欲しかったのですよ』と。私は唖然としました、そして後悔の念に費やされました…。エンピツは山ほど持って来ていたのです。そして、もしもあの子にこの1本のエンピツをあげたら、美の世界に囲まれているあの子のこれからの人生が全く変わったのかも知れないのです。絵を書いて芸術の道に進んだかもしれません。字を覚えて学者の道に進んだかも知れません。そのチャンスを奪ってしまったかもしれないのです。私は…、画家/芸術家である私は、エンピツをほしいという彼の気持ちに気づかなかったことを恥、とても後悔しています。

それで、何らかの財団を創って、たくさん、もう本当にたくさんのエンピツを提供することを固く誓ったのです。そうでもしなければ、芸術家としてこれから生きていけませんから…」

このエピソード一つだけを聴いても、今日時間的に無理して来た甲斐はあったと思った。博さんの芸術家としての、いや、人間としての生き方が明瞭に表現されている話だったから。

恥じるだけであれば、日本人ならば誰でもでき、そう難しいことではない。しかし、恥を人前で公言し、その後の対処をキチンと考えられ、実行する姿こそ素晴らしいのだ。博さんは本当の芸術家であり、誇り高き人である。

講義が終わって、退出する博さんを見送った。出口手前に座っていたのでその時博さんと目が合い、軽く会釈をした。

そして、私は今日のもう一つのメインイベント、真理子さんの公演会場へ急ぎ足で向った…。

■ 千住DAY  パート2『千住真理子/無伴奏リサイタル①』 in フィリアホール

Concerthall 千住真理子さんが、1年に1回ずつ3年かけて行う「バッハとイザイの無伴奏」の取り組み公演。今回はその1回目。

新宿から急いで駆けつけたら、開場5分後に着いた。あー、間に合って良かった。そして、お腹が鳴ったら困るので持って来た菓子パンを胃に流し込んだ、くらいの勢い、笑。

そして、プログラムを手にふと入口付近を見たら、さっき新宿で講義を聴いた千住博さんが入って来られたので、(お互い)ビックリ! 講義が時間ピッタリに終わったわけである。私(私は聴講生だけれど)と同じ行程だったわけだ。目が合ったので、遠くから会釈をした。

Hirosi26 休憩時に、お仲間とロビーでいたら、博さんが私に近づいて来て、それで会釈しながら「さっきは、ありがとうございました」と動揺し小声で言う私。

Yさんが、「すごいじゃないですか、トムさん。博さんがわざわざ来られて挨拶とは」と言われたので、「実は、つい今さっき、博さんの公開講座に行ったばかりで、またここでお会いしたから…」

「トムさんを認識されていることからしてすごいですよ。」とYさん。そうだとすれば、嬉しいなー。

会場には、お母様もいらしていたので、ちょっとだけご挨拶をした。

今日は、残念ながら最前列の座席ではなく、というより後方である。

Mariko4 真理子さんは、格調高く、黒のドレスで登場。

「ここには、いつもあるピアノが今日はありません。だから無伴奏は、いつも、とっても緊張します。始める前は、こんな企画しなければよかったと思ったりしますけれど、終えるとまたやりたいと思うのです。おそらく、演奏家というのは、その連続の繰り返しなのだと思います。」

いつもご自分の心情を上手に話される千住さん。そして、バッハへの思い、イザイへの思いも綴る…。誰もいないこのホールでバッハを奏でると、ここは教会になります。等々の語りで、どんどん千住ワールドにホール全体が惹き込まれていく。

前半は、バッハ。後半がイザイ。

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調BWV1001

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番ホ短調Op.27-4F.クライスラーに献呈)

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番ホ長調Op.27-6M.キロガに献呈)

1_1 初めの一音で、ホールが教会へと変化し、厳かな雰囲気に包まれながらデュランティの奏でが身体全体に響いてくる。やっぱり、無伴奏は素晴らしい。本当に千住さんの無伴奏の奏で空間は極上世界である。

千住さんにとって、バッハはことのほか思い入れのあるものである。そして、イザイもまた、「私はイザイ弾きと呼ばれたい」と公言されるほどご自身の強い思いがあるものである。是非、シリーズ全部を聴きたいなあ。

今回は、私的には後半のイザイがより秀逸だった。素晴らしかった。

公演終了後、サイン会にいつものように並んだ。

サイン作業を続けている千住さんが、顔を上げて私達を目視すると、Sマネージャーさんを見ながら、「やっぱり来ていたじゃな~い!!」と笑顔で言われた。

いつも最前列付近にいる私達が、今日は後方席だったため演奏中に認識できなかった、ことからの発言である。

この「来ていたじゃない」のトーンが(↑)ならば、喜ばれていることになるし、トーンが(↓)だったら、歓迎されていないことになるので、どっちだろか??と不安も。私的には、笑顔だったから(↑)と信じたい。(ファン心理、笑)

Akila3_1 今日(10/21)は、兄/千住明さんの誕生日。この日のために、以前このブログで紹介した「アキラ」ワインをお持ちした。トム的には、実にタイムリーな贈り物と思っている。お渡した時に、真理子さんは、

「わぁー、すごーい! でも、私が飲んじゃうだろうなぁ~」と。

実に千住さんらしい一言だった(笑)。それでいいのです、真理子さんにお持ちしたのだから。

【 観賞日 】 2006.10.21(土) フィリアホール

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2006年10月18日 (水)

■勝手な映画評(第38回) 『ウィンター・ソング』

■ 勝手な映画評(第38回)   『ウィンター・ソング』  

◎総合評価:    45/ 100

W2 作品名: 『ウィンター・ソング』(2005年/ 香港 / 109分)

監督: ピーター・チャン

出演: 金城武、ジョウ・シュン、ジャッキー・チュン、チ・ジニ、他

分野: ラブ・ストーリー

公開予定: 20061111日(土)より

物語

W7 映画監督を目指す見東(金城武)と女優を夢見る貧しい娘の孫納(ジョウ・シュン)、2人はまだ若く希望に燃えていた。

出逢った場所は、飲食店。そこで見東が目にしたのは、麺に貪りつく孫納。2人は見東の部屋で暮すことになる。

見東は、無垢で純真な“愛”を孫納に感じていた。しかし、孫納は自分の夢を叶えるために呆気なく見東を捨てる。

「人は誰でも、自分が一番可愛いの!」という捨て科白と一緒に…。

それは、見東にとっては永遠に冬が続くかのように、その時から世界が止まってしまったように辛い日々が…。

W4 それから10年。映画俳優になった見東と、女優の夢を実現した孫納が、上海で「同じ作品」に出演することになり、運命の再会が!

しかし、2人に、大きく壁のようにそそり立つ障害的存在の映画監督は、今、孫納の周知の恋人であり、監督/俳優/女優と3人が同じ作品の制作過程で、ぶつかり合っていくことになる。

そして、この出逢いは見東の“ある魂胆”が秘められていた。10年間かけた執念の復讐愛が爆発寸前であることを、まだ孫納は知らない…。

見東も自分の構成した展開から、思わぬ展開へと自らを邁進させる結果になること、それをまだ知らない…。

寸評

W8_1 ピーター・チャン監督が、約10年ぶりに長篇を手がけたラブ・ストーリー。

W6 風変わりな映画である。

何かで観た覚えのある作風…、そうだユアン・マクレガー、ニコール・キッドマン主演の『ムーラン・ルージュ』だ。突然歌い出す、舞台が回る、回想シーンに飛ぶ、そして現実に戻る、撮影シーンになる、歌う、カットの声、そしてまた現実に戻る…。ある意味、めまぐるしい。

ひとつのプロモーション・ビデオな感覚で観るのならば、まあ面白い作風かも知れない。しかし映画作品として観る場合はいかがなものか…。すでに公開されたアジア各国では大ヒットを記録、とチラシには書かれているけれど。

愛した女に裏切られた、10年の月日をかけた女々しい復讐劇(「男々しい」と書いて「めめしい」と読んだ方がいいけれど)が、見東の回想シーンと共に展開していく。

W5 自分勝手な3人が、それぞれ33様、自分勝手な思いのままにならないことで、悩み、苦しみ、落ちていく様の中途半端なミュージカル仕立てを観せられる。

ラストに向けて、自分勝手な3人が、それぞれ「自分のこと」ではなく、「相手のこと」を思うことができるようになったという成長(?)ストーリーとも言えなくもないが、薄っぺらいなあー。

W3 でも、巷にはそういう薄っぺらい恋愛が蔓延しているから、そういう人達には「美しい物語」に感じるのだろうか? 何処かのお偉いさんが「美しい国へ」と言っているように。皮肉ぽっい?(笑)

まあ、「貴方は自分が一番可愛いのでしょ」的な批判は、誰もが若い時に言われたことがある科白かもしれないな…。

私は言われたこと……、よく言う「ご想像にお任せします」と、トムの台本には書いてある。(笑)

そうそう、映画監督を目指していた見東はいつの間に大金持ちの「人気俳優」になったのだろう。その過程/展開あったのかな? もしあったならば、途中寝ていたのかもしれない…。

●お薦め度:(★5つが満点、☆は半星)

*金城武のファンの人 →★★★★

*ラブ・ストーリーで悲恋が好きな人 →★★★☆

*デート →★★★

*暇つぶし → ★★

● 「劇場」 VS  DVD」 (どちらで観る?のお薦めは…)

      WIN:「劇場」

  映像的には綺麗なシーンもあるので。

公式HP: http://www.winter-song.jp/

鑑賞日 2006.10.16(月) よみうりホール(特別試写会)

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2006年10月17日 (火)

■ Yさんではなく、Hさんでした!

885Hanako』最新号(No.885号)に、

「創業120周年! 伊勢丹プチ研究 年間1000万人お客さんが訪れるワケ」という特集記事があった。

もしや、このブログで紹介したワイン売場でファンになった“プロフェッショナルYさん”が出ているかも!と意気込んでパラパラとページをめくると、やっぱりおられました。それも全身写真(小さいけれど)で!! 

そして実名(フルネーム)で記載されていた。ソムリエ「Hさん」…、あれっ?「Y」ってお名前ではない…? お顔はあの方だしなあ??

日頃から、“おっちょこちょい”の私はソムリエ・バッチを確認したけれど、ネーム確認というか、注文伝票の「扱者」欄のお名前を、あの方と思い込んでいた…。きっと、そうだ、ファンになったソムリエは「H」さんだと思う。ここに、訂正させていただく。

記入されていたYさんは、発注係りなのだろうか?

今度、伊勢丹に行った時にちゃんとネームバッチで確認しまーす。

ここに、『Hanako』のHさん紹介文を転記する。

『 / ソムリエ Hさん 本館B1ワイン /

“味がイメージできるまで、丁寧にワインを説明します”

レストランから転職したHさんは伊勢丹の第1号ソムリエ。現在は2人のソムリエと4人のアドバイザーとともに店頭に立つ。

「レストラン」はその場でサービスできてお客さまの反応がわかりますが、売り場では難しい。そのぶん味がイメージできるよう、具体的に丁寧に説明することを心がけています」

いまではHさんに会うためワイン売り場に立ち寄るなじみ客もいるほど。リピーターが多いのは品揃えがいいから、だけではないようだ』

“いまではHさんに会うためワイン売り場に立ち寄るなじみ客もいるほど”

正に、トムもその一人ではないか。 伊勢丹第1号のソムリエだったんだ、な~るほどって感じ、レストランからの転職なんですね。本当に適切且つ迅速な対応だったものなあ。

さて、Hさんのお名前とお顔を知りたい方は、書店に走って『HanakoNo.88510/26号)のP.31を開きましょう!!

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2006年10月13日 (金)

■勝手な映画評(第37回) 『手紙』

■ 勝手な映画評(第37回)   『手紙』  

◎総合評価:    50/ 100

Tegami1 作品名: 『手紙』(2006年/ 日本 / 121分)

監督: 生野慈朗

原作: 東野圭吾

出演: 山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ、吹石一恵、他

分野: 社会派/ラブ・ストーリー

公開予定: 2006113日(金・祝)より

物語

Tegami2 親のいない貧しい兄弟2人、弟/直貴(山田孝之)と兄/剛志(玉山鉄二)。剛志は家計のため運送会社で働くが過度の重労働で腰を痛めてしまう。それでも大学受験を間近にした優秀な弟を気遣いお金の工面を図るが、それは強盗という手段…、押し入った留守宅に帰宅した家人(老婆)とはち合わせてしまい誤って殺してしまう。捕まって、服役中(無期刑)の身となる。

直貴は兄の存在から隠れるように暮らし、誰とも打ち解けない。人殺しの兄がいることが判明するごとに住んでいられなくなり数度にわたる引越しと転職を繰り返していた。兄との繋がりは「手紙」のやりとりだけ。

直貴の夢は、中学時代からの親友とコンビでお笑い芸人になること。しかし、人殺しの兄の影に脅かされ、それから逃げ続ける直貴は、兄との手紙も兄から来ることが中心になっていく。

お笑い芸人として成功し、社長令嬢と結婚を前提とした出逢いもあったが、直貴は一人っ子とウソをついていて、…調べられ服役中の兄の存在もバレ、コンビも解消し、再び転げるように運が落ちていく…。

その落ちぶれた直貴を前の職場の頃からずっと一途に愛し続けていた女性/白石由美子(沢尻エリカ)は、「逃げる人生はやめて、私達で立ち向かって生きていきたい」との思いを告げる。彼女自身も親の多重借金地獄から逃げ惑う半生だったのだ。

そして由美子は、直貴が絶っていた兄への手紙を、直貴になりすまして代筆し出し続けていた。兄弟の絆を守るために…。

代筆していた事実、由美子からの自分への本当の愛を知り、直貴は由美子と結婚し子供に恵まれる。そして自分の家族を守るため、兄と本当に絶縁しようと決意し、最後の手紙を兄へ出す…。

寸評

Tegami3 20012年、毎日新聞日曜版で連載された東野圭吾のロングセラー小説を映画化。殺人者の兄のせいで、人生を狂わされる弟の受難の日々を追う重厚な社会派人間ドラマ。

「罪を犯すとはどういうことか、刑罰とは何なのか、真の更生とは-。そんなことを考えながら書きました」という原作者の言葉が添えられている。

犯罪加害者の身内からの視線を体現化したものである。

映画が終わると試写会場には、泣きはらした女性の顔がたくさん。

映画評も好意的なものが多い。しかしながら、私的には物足りなさと、ちょっと違わないか?という思いでやりきれなかった。

後半、直貴が勤める会社会長の「差別のない国を探すんじゃない、君はここで生きていくんだ」という言葉は、現実から逃げるな、という重みはあり説得力はあるのだけれど…。

Tegami4 まず、観終えて感じたことは、「冷たい世間の風との闘い」を表現した作品と感じた。

どうも納得がいかないのが、そんな世間から逃げる主人公が選ぶ夢が「お笑い芸人」ということと、引越を繰り返しているはずなのにコンビの相手が幼なじみで、冒頭「お前、今度で何度目の引越だっけ?」という科白がある。3度目の引越で何故、幼なじみが職場の近所にいるんだ?

兄の影から逃げたいのに、何故テレビに出演し有名人になることを目指すのか?有名になったら身内のことは調べられるに決まっているのに?等々、臨場感/現実感からかけ離れている設定に疑問符がいっぱい??

殺人者の兄を持つ主人公をあくまでも世間は受け入れようとしない設定だが、本当にそこまで加害者本人でない者を排除するだろうか?という疑問もある。それに、何故、兄が強盗を働いたかの原因は自分にもあるのだ。学費がないならば、奨学制度を目指したり、通信制だって方法はある。「大学受験/学費」のために強盗というのは安易過ぎないか?

私(トム)自身、大学は奨学生だったし、学友にも親の会社の倒産で経済的障害を抱えながら学んでいた者(女性)もいたし(立派に卒業し仕事にもつき、今は3人の子持ち)、もっと苛酷な状況で社会に出ていった知人もいる。

しかしながら、「加害者の身内」の問題を題材にした点は評価できる。

現実に、例えば「オウム事件」松本死刑囚の家族の問題を、今日本社会は抱えている。

松本死刑囚(当時は被告)の3女が大学進学で受験し合格したのに入学拒否され、裁判沙汰になったことは記憶に新しい。まず和光大学などが入学拒否をした。そして文教大も同様に拒否をしたが裁判判例(地位保全を求める仮処分申請で、「入学許可の取消を認める特別な事情や正当な理由があると考えることはできない」)を受け、入学させた。その時の副学長(当時)が、私の恩師上杉先生である。

新聞記事には、当時(2004年)の状況をこう説明している。

*彼女の存在が分かると入学者が減少する懸念。

*社会の「オウム」に対しての反感の強さ。

*教員採用試験や就職への影響。

*支援し寄付金を出してくれている父母会の反発。

*サリン事件の被害者も多い地域。

*マスコミが押し寄せる懸念。

等々、よって入学拒否をすべきであるという声が強かった。このような状況での恩師上杉副学長(当時)の答えが下記である。

新聞記者とのインタビュー、長いので以下一部だけの「抜粋」とする。↓

「私学であっても大学は公な教育の場であるということも理解している。しかし理念だけでは食べていけない。応援してくれる父母や受験生が減っていけばやっていけなくなる。「オウム事件=サリン事件」というイメージは、社会的にまだぬぐわれていない。いまも数人の教員は入学許可に不満を抱いている。だから、受け入れを決めた時、教授会の全員で「建学の精神(人間愛、命の尊厳)にのっとって人格形成に努める」と決議した。みんなの気持ちを統一しないと受け入れられない」

「受け入れた以上、立派に育てる義務が我々にはある。人間形成ができなければ、私学の存在意義はない。できるだけ彼女の喜びと悲しみに沿ってやっていきたい」

最近、松本死刑囚の4女の後見人に、オウム事件を追っていたジャーナリスト江川紹子さんが申し出を受け後見人を引き受けた。彼女は事件の被害者坂本堤弁護士の知人である。

日本社会が、犯罪加害者の身内をどう受け入れるか、の問題は現実にしっかり考えなければいけないことであることは確かなことであり、「犯罪者」自身にどう罪を償わせるかを考えると同時に、加害者家族/身内を社会がどう受け入れていくべきか、それを支える仕組み/システムを構築することは必要であることは明白である。

もちろん、犯罪被害者/家族をどう支えていくかの仕組み/システムも「公」「私」の区分はあるが、それぞれに対応すべく社会構築は急務である。

これは、「日本社会&世間」の度量と良識が試される問題であると思っている。

●お薦め度:(★5つが満点、☆は半星)

*人間ドラマ/ラブ・ストーリーが好きな人 →★★★★

*人間社会の冷たさ/温かさを考えたい人 →★★★★

*キャスト陣に好きな人がいるファン →★★★☆

*原作と映画化の比較をしたい人 → ★★★☆

*デート → ★★

● 「劇場」 VS  DVD」 (どちらで観る?のお薦めは…)

      WIN:「劇場」

  心理描写がキーなので、大画面からの方が拾いやすいかも。

公式HP:  http://www.tegami-movie.jp/

鑑賞日 2006.10.10(火) よみうりホール(特別試写会)

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2006年10月10日 (火)

■勝手な映画評(第36回) 『トリスタンとイゾルデ』

■ 勝手な映画評(第36回)   『トリスタンとイゾルデ』  

◎総合評価:    55/ 100

Toli11 作品名: 『トリスタンとイゾルデ』(2005年/ 米 / 122分)

監督: ケヴィンレイノルズ

製作総指揮:リドリー・スコット、トニー・スコット

出演: ジェームズ・フランコ、ソフィア・マイルズ、他

分野: ヒストリー/ラブ・ストーリー

公開予定: 20061021日(土)より

物語

Toli2 舞台は、暗黒時代のイギリス。当地を支配していたローマ帝国が崩壊し、荒れ果てた国土の土着部族たちは、強大なアイルランド王の権力下にあった。

Toli5 アイルランドに対抗するため密かにタンタロン城で、領主アラゴンの呼びかけで、同盟の締結の会合がもたれることになった。アラゴンは、マーク候(ルーファス・シーウェル)を王とした統一国家の建設を提案。ところが、同盟締結を目前にして、アイルランドの軍隊が乱入。アラゴンは夫人もろとも殺され、彼の幼い息子トリスタン(トーマス・サングスター)をかばったマークも、片方の手を失う重傷を負う。

イギリス統一の悲願は果たされず、失意の中マークは、孤児となったトリスタンを連れて故郷のコーンウォールへ戻る。

Toli4 9年後。マークの手で大切に育てられたトリスタン(ジェームズ・フランコ)は、立派な若者に成長した。

Toli8 アイルランドの武将モーホルトが率いる小隊が攻め入るのと闘うトリスタンは、モーホルトを倒す。だが、モーホルトの剣には毒が塗ってあり、死んだと思われ海へと葬られる。瀕死のトリスタンは、敵地アイルランドの海岸に流れ着く。彼を発見したのはアイルランド王の娘イゾルデ、ここに運命の出逢いが! 名を偽りながらイゾルデは彼を匿って助け故郷イギリスへ逃がす。2人の事情を知らないア

イルランド王はイギリスのマークとイゾルデの政略結婚を図る。

Toli10 トリスタンは上位のマークへの忠義とイゾルデへの愛との狭間で苦しむが、トリスタンとイゾルデは密会を繰り返す関係になる…。

寸評

Toli6 起源は1500年前のケルトの説話であり、12世紀の中世フランスで物語としてまとめられた。まもなくドイツにも伝えられたというこの『トリスタンとイゾルデ』または 『トリスタン物語』 は、宮廷詩人たちが広く語り伝えた恋愛物語。

これを基に、シェイクスピアは恋愛悲劇の『ロミオとジュリエット』を執筆。1ワーグナーが、『トリスタンとイゾルデ』 (Tristan und Isolde)三幕の舞台音楽で、1857年から1859年にかけて作曲しオペラを誕生させた。

Toli1 今回は、その基になった説話を大胆な脚本編成で映画化。

オペラや説話とはかなり話の内容も変わっている。

ケルトの説話だけあって、アイルランドがかなり悪役で綴られている。映画もその点には忠実でイギリス側が人情味ある人間に描かれ、アイルランド側は冷酷/冷徹な極悪人で描かれる。(『日本書紀』で言えば、イギリスが大和朝廷のような感じ)

今でも「アイルランド紛争」は(今は立場が逆でアイルランド側の独立運動だけれど)あり、その根底にこんな歴史があったのだなあと考えさせられる。アイルランド人が観たら、怒る内容だと思うけれどな。

『グラディエーター』の監督リドリー・スコットが20年間温め続けて創った作品というが、何故今これを映画化するかの意図がちとうさん臭いと思うのは、うがった観方かな?

Toli7 スターキャストで固めず、新鋭俳優を起用したのはいい面もあるけれど、それだけにハデさはなく、テレビドラマを観ている感じにもなったのも正直なところ。でも、こういうラブ・ストーリーは、美男美女が演じるから絵になるんだろうなー。

基が悲劇なのだから、ラストも基の話のように完全悲劇を描いた方が「ロミオとジュリエット」の原典というのだったらよかったと思うのだが。

それに「毒薬」の使い方も…。

●お薦め度:(★5つが満点、☆は半星)

*悲哀/ラブ・ストーリーが好きな人 →★★★★

*「ロミオとジュリエット」の原典に興味がある人 →★★★★

*イギリスが好きな人 →★★★☆

*暇つぶし → ★★★

*デート → ★★★

● 「劇場」 VS  DVD」 (どちらで観る?のお薦めは…)

      WIN:「劇場」

映像は綺麗なので、ぜひ大画面で!

公式HP:  http://movies.foxjapan.com/tristanandisolde/

鑑賞日 2006.10.5(木) ヤマハホール(特別試写会)

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2006年10月 9日 (月)

1万件突破…

5/18より集計開始のアクセス総数が、本日、1万件を超えました。

いろいろ思うところはありますが、何はともあれ喜ばしいことと素直に嬉しく思います。

鑑賞したもの全てを紹介しているわけではありません。

先週は毎日鑑賞に出かけて、溜まった洗濯物の山にうんざり…。

嵐のような6日(金)に、やっと『パイレーツ オブ カリビアン 2』を映画館で鑑賞してきました。プレミア試写でジョニー・ディップに会うつもりが行けず、観損ねていたのですが、劇場招待券が届き、調べてみると6日が最終日でまだやっていたので、他試写をやめて観て来ました。

何か、漫画チックになってしまってちょっと期待はずれでした。17:0019:45(他作品予告編含む)と、とっても長編で少し疲れました。

それと、最新映画館を体感してしまうと旧来の座席はもう窮屈ですね…。飲み物置くスペースもないし、傘も立てられない、長編には辛い座席でした。

でも、座席の窮屈さなんか忘れてしまうくらいの秀作に出合いたいと、これからも映画をはじめ、いろいろな芸術鑑賞行脚(?)を続けたいと思います。

秀作に出合う確率は低いかもしれませんが、“買わなければ当らない宝くじ”と同様、観なければ出合えませんからね(笑)。

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2006年10月 6日 (金)

■ 『大英博物館 ミイラと古代エジプト展』 in国立科学博物館 10/5

■ 『大英博物館 ミイラと古代エジプト展』10/7(土) ~ ’07.2/28(日)

Miira11 10/7(土)より開幕される『大英博物館 ミイラと古代エジプト展』のオープン前(10/5)招待で行って来た。

古代エジプト、けっこう好きなので楽しみ。それと、国立科学博物館がリニューアルされて行くのも今回が初めてなので、常設展、レストランなども見学気分で楽しみだ。

「世界有数の古代エジプトコレクションを誇るイギリスの大英博物館で、20047月から1年以上に渡って開催され人気を呼んだ特別展が、アメリカなどを巡回し、いよいよ日本にやってきます」

Miira15「展示の主役は約2800年前のミイラ「ネスペルエンネブウ」。CTスキャンのデータを使った3次元立体(3D)映像によって、棺(ひつぎ)の中に納められたままだったミイラが現代に蘇(よみがえ)り、その謎が解き明かされる」

Miira1 入館すると、まず3D用メガネ(これは回収なし)を渡され、シアター前の広場に立たされて待たされる。そこには4つの入場口と液晶画面モニターが数台設置されていて、5分間のレクチャー映像を見せられる。

その後、シアター内に入場(全自由席/400人)、背もたれがある席の最後尾中央が一番いいかも。後ろ2/3は、背もたれなし。

Miira4 スクリーンは幅14mと大画面で、約20分間。入館者全てがこのシアターを始めに観ることになっていて、シアターからでないと展示室に行けない。

のっけから、3Dならではの立体/臨場感たっぷりの映像で引き込まれる。

中心は、保存状態のよいミイラのCTスキャンによる解析映像。Miira17 すばらしい映像で、今の最新科学での「ミイラ」の内部がここまで鮮明にMiira16 観られるのは驚きである。観る価値あり!

Miira7 ミイラの作成過程なども詳しく紹介されるし、古代エジプトに興味のある人には是非お薦めの内容であった。いや~、面白かった。

Miira3 シアターに続く展示室では、ネスペルエンネブウのミイラが納められた棺や、ミイラの包帯の中に巻き込まれた護符類、神官の儀式にまつわる道具なども展示されている。

Miira13 また、古代エジプトの文字・ヒエログリフや神々の姿など、ネスペルエンネMiira10 ブウの棺に描かれた装飾の他、大英博物館が誇るエジプトコレクションから約130点を厳選して展示されている。

一般公開では、全「日時指定制」での初めての試みという。

ただ、それでも展示会場はかなりの混雑が予想されるなあ…。

Miira14 3D映像で観たものを再確認も合わせて観られるので、本物を目の前にしMiira12 て一種の感動もある。ロゼッタストーンは複製だったけれど、それでも観る価値あったなあ。パピルスとかもわら半紙と和紙の中間な感じ。そして、なによりもミイラやお棺の現物はガラス越しとはいえ、本物の持つ力を感じられる。

常設展も、とってもきれいに(現代的)リニューアルされていた。以前は昭和の匂いがいっぱいあったのだけれど、明るくまるでNASAのようなイメージだった。

そして、リニューアルのもうひとつの楽しみ、レストランにも行ってみた(笑)。カツカレー(750円)とビール小瓶(450円)を食べたのだが、味は「学食レベル」かな。中はデパートの大食堂みたいな感じ。

やっぱり、レストランは近代国立美術館が今のところ一押しだなあ。

鑑賞日 2006.10.5(木) 国立科学博物館

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2006年10月 5日 (木)

■ 舞台『奇跡の人』 in 青山劇場 10/4

■ 舞台『奇跡の人』  10/4(水) ~ 10/22(日)公演

Helen8 (作)ウィリアム・ギブソン (演出)鈴木裕美

「三重苦ゆえに家族に甘やかされ、わがままに育った少女が、偏屈な若い女家庭教師の指導と触れ合いで、人間らしさ、そして言葉を取り戻す。誰もが知る、ヘレン・ケラーの少女時代の物語を舞台化した『奇跡の人』」

(ストーリー)

1歳半の娘ヘレン・ケラーが熱を出した。やっと熱が下がり安心したのも束の間、ヘレンは音にも光にも全く反応しなくなっていた
  それから5年。それ以降、ヘレンは見えない、聞こえない、しゃべれないの三重苦の中、それゆえ甘やかされて育てられ、わがままし放題。まるで暴君のように振る舞うヘレンを、家族はどうすることもできない。

そんな折、ボストン・パーキンス盲学校の生徒アニー・サリヴァンの元に、ヘレンの家庭教師の話が舞い込んでくる。誰もがお手上げの仕事ではあったが、孤独で貧しい環境を20才まで生きてきたアニーは、自立という人生の目標を達成するため、初めて得た仕事に果敢に挑戦しようとする。

Helen6 ヘレン・ケラー:石原さとみ、アニー・サリヴァン:田畑智子
Helen7 ケイト・ケラー:小島聖、ジェイムズ・ケラー:山崎裕太
ヴァイニー:歌川椎子、 医師/アナグノス:大鷹明良
エヴ伯母:鷲尾真知子、アーサー・ケラー:梨本謙次郎 他

石原さとみが初舞台。『奇跡の人』と言えば、かつて大竹しのぶ、荻野目慶子、中嶋朋子、寺島しのぶという舞台のベテラン陣が演じた舞台。

石原と田畑の若手がこの秀作とされる作品に体当たりしている舞台初日(10/4)に招待で行って来た。席は2階席の最前列中央で、全体が見渡せて鑑賞にはGOOD

Helen1 ヘレン・ケラーは、書籍『偉人伝』を小学生の頃に読んだくらいで一般的Helen2 なことしか知らなかった。

だから「奇跡の人」→「三重苦を乗り越えて社会的貢献をしたヘレン・ケラー」のことを指すと思っていた。来日もしているヘレンがどんなに素晴らしい人だったかは、知識としてあったけれど。

「奇跡の人」は、家庭教師のアニー・サリヴァンのことだったのをこの舞台を観て、納得である。

「アニー・サリヴァンって、ヘレンの家庭教師で水ポンプで、ものには名前があることを体感から知らせた人」、その後へレンを50年間ずっと支えてきた献身的な人、というイメージ/知識だけだった。

Helen3アニー自身がトラコーマによる中途盲目者になり、9度の手術により見えるようになった人だったことを知らなかった。そして、彼女の幼い頃からの悲しく辛い境遇、まだ幼い弟との死の別れ、いじめ…、それでも挫けずに施設を主席で卒業し、自立のために着いた初めての職がヘレンの家庭教師、たった20歳の時に。

アニー・サリヴァン、すごい人である。もちろん、ヘレン・ケラーが偉人であることは少しばかりも疑問はない。しかし、ヘレンを偉人ならしめたのはアニー・サリヴァンがいてこそのことなのをこの初期の頃の舞台だけでも十分に分からせてくれた。

人の愛情とは何か。教えることとは何か。厳しい優しさとは何か。いろんなことをストレートに気付かせてくれる舞台だった。

もちろん、まだまだ構成的にも、演出的にもいろいろ問題も感じた部分もあるけれど、この際、それはたいした問題ではないくらい、感動できた舞台だった。3幕で、18:3021:50と長丁場だったけれど、観て良かった舞台である。

人としての、一所懸命さ、衝突を怖がらずに突き進むエネルギー/パワー、また、それを受け入れる心の広さ、いろいろ考えさせられた一夜だった。

鑑賞日 2006.10.4(水) 青山劇場

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2006年10月 4日 (水)

■ リール近代美術館所蔵『ピカソとモディリアーニの時代』展 10/2

一般閉館後の19:3021:00(自由観覧)特別貸切鑑賞会に行って来た。

Bunka102 今日、渋谷に行くのにタイミングよく鑑賞券を頂いた映画『薬指の標本』を美術館の前に観賞した。

久々のユーロスペース(映画館)、全館リニューアルされていて、とってもオシャレな空間に変わっていた。以前を知っている方はびっくりするくらいの変わりようで、映画ファンには心地よい劇場になっていた。中の座席もいいしスクリーンも観やすい、これは収穫だった。

『薬指の標本』は、小川洋子の原作をフランスの女性監督(ディアーヌ・ベルトラン)が映画化したフランス映画。

原作を読んでいないけれど、「???」な、映画だった。小川さんファンにはもうしわけないが…、分からない。

原作も監督も女性、ということはトムには女性の気持ちが分からないってこと??

「切断された薬指」「標本」「与えられた靴」…、キーワードは散りばめられていて解説は「ラブストーリー」となっているけれど、これって「偏愛」というか、「性的倒錯」に近い。美しく表現しようとしているけれど、美しい作品ではなかった。

■ リール近代美術館所蔵『ピカソとモディリアーニの時代』展

Bunka2 リール近代美術館は、フランスとベルギーの国境近くにある美術館。

へ~え、この作品がここに所蔵されているんだと、有名作品の数々が展示されていた。

Bunka10 表題のピカソ、モディリアーニだけではなく、ブラック、レジェ、ユトリロ、ルオー、カンディンスキー、ミロ、クレー、ビュッフェ…と同時代著名な画家のBunka1 作品が4つの区分構成で、ずらりと並んでいた。

Bunka4 一言で言うと、「クラシックのガラ・コンサートの絵画版」という感じ。

印象的だったのが、モディリアーニのデッサンが柔らかな線だったことと、ビュッフェの神経質そうな直線。

Bunka5 今日は主催者の行為で有料の「音声ガイド」も無料で借りられ、ゆったりと1時間20分観賞した。

Bunka3 それとチケット番号でプレゼントも当り、観賞後チケットと引換。ポストカード7枚セットだった、ラッキー!

Bunka7 期間中にもう一度行けるので、気に入った作品に絞って観に行こうと思っている。

鑑賞日 2006.10.2(月) Bunkamura  ザ・ミュージアム

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2006年10月 1日 (日)

■府中の森芸術劇場どりーむコンサート 日本フィルが贈る《革命》 in 府中の森芸術劇場 9/23 ■日本フィルハーモニー交響楽団サンデーコンサート in 東京芸術劇場10/1

9/23の公演を書いていなかったのは、わけがある。

10/1に同じ日フィル(指揮者は違う)で、千住さんのチャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲を聴くことになっていたから。10/1は第2楽章だけども…。同じオケでも、指揮者が違うとどうなのかとか、千住さんについても、等々日程も近いし、会場は違うけれど座席も共に最前列中央寄りが取れたから。

じっくり聴ける9/23に対して、細切れ的なプログラムの10/1と大きな違いがあり、千住さんの登場時間も少ない10/1はどんなもんかなー、でも会場が近しい、行こう!と思った公演。

後記するが、予想外の展開もあり、10/1は千住ファンにとって儲けもの、サプライズがあった。

府中の森芸術劇場 どりーむコンサート 日本フィルが贈る《革命》

9231 <指揮>金聖響
<ヴァイオリン>千住真理子

9232 チャイコフスキー:オペラ《エフゲニー・オネーギン》より「ポロネーズ」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番《革命》

9233 千住さんのチャイコ、大好きなのでとっても楽しみだった。

指揮者の金聖響さんは、今、ノリに乗っている若手指揮者。先日NHKのトップランナーにも出演して熱弁されていた。テレビではもっと恰幅のあるように見えたし背もそれほど高い方ではなかったけれど、指揮する表情はテレビで観た感じと変らなかった。

千住さんは、カデンツァも素晴らしかったしデュランティーも歌っていた。会場が暑かったせいもあり、汗をいっぱいかいていて少し大変そうだった。

そうそう、この時のオケの配置が面白かった。

第一、第二ヴァイオリンが左右に別れ、チェロやコンバスが向かって左側。やっぱり雰囲気も変るなあ。

日フィルと金さんの相性はまだこれからかな、という印象を受けた。

団員と指揮者の関係っていろいろあるものね。

■日本フィルハーモニー交響楽団 サンデーコンサート

923《コバケン・ガラVol.5~コバケンのアダージェット》
1011 ヴォルフ=フェラーリ/オペラ《マドンナの宝石》より第2幕への間奏曲
エルガー/愛の挨拶(千住真理子)

ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番より第2楽章(千住真理子)
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲より第2楽章(千住真理子)
※ セレナーデ/千住真理子+コバケン(即興伴奏) ※

モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番より第2楽章
    (ピアノ|小林研一郎)*
ベートーヴェン/交響曲第7番より第2楽章「不滅のアダージェット」*
 *小林マエストロのピアノによる解説付き
(休憩)

チャイコフスキー/交響曲第3番《ポーランド》より第3楽章
マーラー/交響曲第5番より第4楽章
マーラー/交響曲第3番より第6楽章

1014 細切れ的なプログラムなので、じっくり型ではなく、いろいろ楽しむというスタンスの公演。

今回は、コバケンが「癒しと悲愴」をテーマにセレクトしたそうだ。

チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 第2楽章はト調の哀愁に満ちたものといわれている。

また、モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番はモーツァルトの明るい曲の中で最も悲しい曲とコバケンが話してから演奏に移る。

1012 千住さんは、ブルー(水色に近い)に金色の入ったドレス。初めて観た衣装かな、とても素敵でした。

コバケンが、演奏前に話しをするなんて失礼は山々なのですが、と言って1015 千住さんとのトークもあり、チャイコ演奏後にもピアノを出す間、再びトーク。

その中でデュランティーの話もあり、1年目のチャイコフスキーをコバケンさんと共演した時、本番中に肩とあごの間にハンカチを挟んでいたのが途中で落ちた(千住さんは直にすることが多くハンカチを挟むのは時々だったけれど)、そのまま演奏を続けて終演後、楽屋にコバケンさんが訪ねて来て「真理ちゃん、ハンカチなしの方が僕はとってもいい奏でだったので、これからはしない方がいいよ!」

それからは痛くてもコバケンの意見を尊重し守っているようだ。

今日も「はい、一生しません!」(断言するのが真理子さんらしいなあ…)

1016 そして、ピアノが設置されて、サプライズが!

真理子さんが「セレナーデ」を奏で、それに合わせてコバケンが即興伴奏をするという、プログラムにはない素敵なセッションがあったのだ。

ソリストで登場した真理子さんに、こういう機会は、本当に珍しい。聴けて嬉しかった。

トークとセッションで、二人は指揮者とソリストとしてしっかりとした絆があるのが分かるエピソードになった。

鑑賞日 2006.9.23(土)  府中の森芸術劇場 大ホール

鑑賞日 2006.10.1(日)  東京芸術劇場 大ホール

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